週刊少年ジャンプ2021年8号(2月8日号)に掲載されている「逃げ上手の若君」1話のネタバレをまとめました。
「魔人探偵脳噛ネウロ」や「暗殺教室」で人気を博した松井優征先生の新連載となっています。
英雄らしくない「逃げ」の才覚に秀でた北条時行を主人公とする史実スペクタクル逃亡譚となっております。
そんな期待に満ちた新連載の「逃げ上手の若君」第1話「滅亡1333」を見ていきましょう。 ※以下、ネタバレとなっておりますのでご注意ください。
かくれ鬼・北条時行
時は1333年、北条高時が総帥として君臨する鎌倉から一人の武士が出陣する。
その名は「足利高氏」、のちに始まる南北朝時代の絶対的な主人公である。
そんな高氏は人影に隠れる一人の小童に「相変わらずかくれ鬼がお上手でございますな」と声をかける。
その小童こそ、北条高時の息子であり、次期鎌倉幕府総帥候補の北条時行であり、この物語の主人公なのである。
少し遠慮がちに高氏と話す時行を見た女性は、時行に対して「足利に気遅れなどしないで、貴方様は幕府の後継なんだから」と嗜める。 「清子」と呼ばれた女性に「将来の夫」としてすり寄られる時行だが、家臣たちからの弓の稽古の催促まで及んでしまう。
すると、清子の腕からスルリと抜け出し、凄まじい逃げ足で家臣や清子を置き去りにして逃げてしまった。
そんな時行の姿を見た清子の父は高氏との武士としての器の違いを嘆く。 また、続けて現在の鎌倉幕府は実権を完全に北条氏本家以外の側近に握られており、将来的に時行が鎌倉幕府を継ぐことになったとしても「お飾りの王」になるだけだと忠告する。
それに対して清子は、時行の逃げ腰ではあるが優しい性格に加え、北条氏本家の贅沢な暮らしができることを鑑みれば、自身の嫁ぎ先としては十分だと語る。
ただ、大半の人間は清子の父と同様に武士に必要なあらゆる才覚を全て備えている高氏に大きな期待を寄せており、誰一人として時行に期待する人間などいなかったのである。
武士の取り柄を何一つとして持たない逃げ腰の御曹司、「北条時行」。
しかし、そんな彼の生き様は混沌の時代に嵐を巻き起こす少年漫画の主人公のような鮮烈さを持っていたのである。
時行に眠る「怪物の欠片」
時行を捜索する家臣たちであったが、彼が本気で隠れたら見つけることは難しいと嘆くばかり。
名目上でも「幕府の後継者」となる人間なのだから、あれほどまでに怠惰で臆病者では示しがつかないと愚痴る始末。
そんな様子を木の上から眺める時行であったが、本人は「怠惰」「臆病」で構わないと考える。 あくまでお飾りである自分にそんなものは必要ないし、そういったことは高氏に任せておけば良い。
自分は愛するこの鎌倉で平和に暮らす人々を眺めながら、生きていければ良いのだから、と。
そんな時行にとある巫女が話しかける。 時行の中に眠るそれは「怠惰」でも「臆病」でもなく、「怪物の欠片」なのだと。
父親がそう話していた、と語る巫女を不思議がる時行の背後に後光に照らされた謎の人間が木の上で話しかけてくる。
「時行がここに登ってくる未来が見えていた」と語る怪しい人間の名は「諏訪頼重」。 信濃国で神官を務めており、鎌倉を敵から守護する祈祷が完了した旨を高時に報告しているとのこと。
先に話しかけてきた巫女の名前は「雫」、頼重の秘術や事務の手伝いをしているのだとか。
変なテンションで話しかけてくる頼重に怪しさを感じている時行に対し、雫は「頼重は神力で未来が拾える」と語る。 信じてもらうために時行をさらに神力で見通す頼重。
ただ、肝心の内容はぼやかしたものであり、時行はますます不信感を抱く。
一通り馬鹿なやりとりをしたのちに、頼重は突然真面目な顔になるとこう語る。
「十歳の時に貴方様は…天を揺るがす英雄となられまする」と。
大戦の主となり日本の未来すら変えうる存在だと語る頼重だが、得意の逃げ足で時行に逃げられてしまう。
逃げる最中、時行は自分を騙しても上辺の栄華しか手に入ることはないのに、と思いながらも、頼重の真剣な眼差しに困惑してしまう。
「英雄」たりえる条件
場面は変わって、異母兄である北条邦時と蹴鞠に勤しむ時行。
二人の父親である高時は病弱であり、政治へのやる気もないのだから、早く後を継いであげろと語る邦時に対し、生まれ順としては邦時が先に継ぐのが筋でしょうと語る時行。
そんな時行に対し、側室の自分が後を継いだら確実に争いが起こるから嫌だと語り、「嫌なことからは正々堂々逃げるのが北条家の血筋」だとまで言ってのける。
ただ、邦時は頼重の時行に対する発言は「少しわかる」とし、時行の逃げ上手は邦時や高時のそれとは格が違うものであり、何か一つ条件さえ整えば時行は英雄になれる気がする、のだと。
時は流れて1か月後。 兄の邦時や父の高時を始め、次々と時行の周囲の人間が死んでいく。
鎌倉幕府軍副将の名越高家をも射抜き、京都の鎌倉幕府軍を壊滅に追いやったのはなんと足利高氏その人であった。
高氏の謀反は神速を極め、後醍醐天皇との内通で京の幕府軍を壊滅させるだけでなく、遠く離れた鎌倉でも新田義貞を中心とした軍勢に反乱軍を率いて侵攻させた。
高氏の挙兵からたった24日で時行が継ぐべき鎌倉幕府は消滅してしまっていたのである。
北条一族と家臣郎党が自害した光景を目の当たりにして震える時行に、頼重と雫が歩み寄る。
高時の遺言で時行を逃すように命じられていたと語る頼重は、今から時行を彼の領地である信濃諏訪にて匿うつもりだとのこと。
ただ、逃げるように促す頼重に対して、自分も高時たちと共に自害したいと語る時行。
日本の未来を守るべく、時行には死なれては困ると半強制的に頼重は時行を連れ出す。
裏切りの武士たちによって蹂躙される鎌倉を見た時行は改めて高氏に裏切られたことを痛感し、彼の自身に向けられた笑顔もまた偽りであったのだと認識する。
そんな時行は「必ず仇を討ちましょう」と語る頼重の笑顔も信用ならないと切り捨て、かの源頼朝ですら平家討伐に5年も掛かったのに全国政権を24日で滅ぼすような高氏に自分自身が勝てるわけないと語る。
敗れた者は武士らしく潔く死にたいと語る時行に対して、頼重は「わかりました では死になされ」と時行を戦場に突き飛ばす。 そう、頼重は知っていたのである。
時行が絶望の底のそのまた底、「死の淵の淵」に立たされてこそ彼の中の「英雄」が耀くことを。
頼重の予想通り、跳ねるようにして敵の軍勢の中から舞い戻ってきた時行に対して、彼の「怪物的な生存本能」こそがその特筆すべき才能であると語る。
それは「殺す」ことで英雄となった高氏とは対極の才覚であり、彼にとって一番厄介な存在なのである、と。
しかし、逃げ隠れて生き延びるだけでは勝てないとも語り、勝つための郎党や武力などは全て揃えると頼重は語る。
逃避行から始まる「天下取り」
「天下を取り返す鬼ごっこ」を始めると語る頼重に対し、自身を救うことに純粋な疑問を持つ時行。
それに対し、頼重は「全ては北条家への忠義のため」とはぐらかしながらも、いずれは伝えるときが来ると語る。
それを聞いた時行は、北条家一族が滅んだ以上、自身も自害すべきにもかかわらず、生きる悦びにときめいてしまったと涙を流す。
責任を取れ、と話す時行に、「地獄の底までお仕え致しましょう」と語る頼重。
頼重の予言通り、時行は2年後に日本中を震撼させる戦乱を巻き起こす。
負けたら潔く死ぬ、そんな武士的な考えが当たり前の中世において時行はひたすらに逃げながら、天下人・足利高氏の首を狙い続ける。
この物語は、そんな神出鬼没の侍王子の激動の生涯を描くものである。
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